…しかも火傷をした手は利き手の右手。

私は溜息をつき、仕方なく、左手で髪を洗い始めた。


「…洗いにくいな」

「・・・だろ?」

「?!?!」

突然、後ろから博さんの声が聞こえ、体がビクッと跳ねた。


「ほら、洗うからジッとしてろ」

「ちょ・・・博さん///」

真っ赤な顔になった私。

…博さんと男女の関係になってはいたものの、

いつも薄暗い中での行為。

こんな明るい浴室で、裸を見られるのは恥ずかしすぎる。


「今更、恥ずかしがることないだろ?」

博さんは平然と答える。


確かにそうかもしれないけど、あまりに突然すぎて、

心の準備が出来てなかったと言うか・・・。


「博さん、自分でできるから」

私は必死に博さんを追い出そうとする。

…もちろん、タオルで体は隠してはいるんだけど・・・。


「ったく。後ろから洗ったら、見えないだろ?

言うこと聞きなさい」


「・・・・は、い」

優しく諭されたせいか、私は渋々頷いた。