…話しを済ませたおばあちゃんは、博さんに送られ、

家に帰っていった。


「…羽菜」

「…博さん」

考え込んでいた私。

そんな私に帰って来た博さんが声をかけた。



「…ゴメンな。本当なら、オレの口から話さなきゃならなかったんだけど」

そう言ってバツの悪そうな顔をした博さん。


私は首を振って見せた。


「…私が博さんの立場でも、なかなか言えなかったと思います」

そう言って苦笑い。


「・・・同棲を始めたばかりだしな…

結婚は、もう少し先だって話したばかりだもんな。

こんな話をされても困るよな」


私の横にしゃがみ込んだ博さんは煙草に火をつけた。


「…いい話だとは思います」

「・・・え?!」

私の言葉に、博さんは驚いている。


「おばあちゃんの家には、何度か足を運んでいます。

洋風な家で、言ってた以上に、綺麗なお家です。

・・・でも、そこを改装して住むとなると、考えますよね」

・・・結婚の事を考えなければならないから。