雨が酷く降った。

 真っ赤な、いや、赤黒いそんな雨が。

 だが、悠翔は濡れなかった。

 レインコートを着ていたから。

 滴る赤いそれは、フローリングに赤い水溜りを作った。

 目の前の惨状を、悠翔は、ただ茫然と見つめていた。