「ん……」


 妙な胸騒ぎがして、尋翔は起きた。

 頭部の右側が、ズキズキと痛む。

 時計に目をやれば、まだ午前5時を少し過ぎただけだった。

 
「なんだ……この感じ…」


 布団をバサっとめくり、リビングへ向かう。

 ソファーに深く腰掛け、まだ痛みの退かない頭をマッサージする。しかし、すぐマッサージを止める、真正面にあるテレビを見つめる。


「……はぁ」


 ローテーブルの上にあるリモコンに手を伸ばす。

 電源スイッチを押す。

 コロコロとチャンネルを変えていく。

 と、チャンネルを変えていた長い指がピタリと止まった。


「お……い………」


 大きく報じられていたそれは、神之間廉が死んだというそれだった。


「約束……したよな………なぁ……なぁ…!!………なぁ」


 部屋に響く叫び声。

 
 なんでだよ………。クソッ。

 
 床に小さな水溜りが出来た。