そんな事があってからと言うもの、悠翔と尋翔は、互いに認め合い、高め合い、そして、1つになろうとした。


「尋翔くん」

「あ?」


 前までの尋翔ならば「ん?」か、「はい?」と言っていたはずだろう。

 だが。


「雰囲気……変わった?」

「んなこたねぇよ」

「おい、尋翔」

「あー?んだよ、悠翔」

「ちょいこっち来い」

「おー」


 顔も似せたかったが、似ても似つかずで、整形する気も金もない。

 なら、口調だけでもと、2人きり、親も寝静まった夜中に猛特訓したのだ。

 尋翔は、性格も変えようと思ったのだが、悠翔が「そのままでいてくれ」と懇願した為、そのままの面倒見の良い性格でいる。

 お前のその性格に救われたのだから、と。

 2人は一緒に、同じになりたかった。

 
「なぁ」

「おぁ?」

「……いや、なんでもない」


 こんな事してもなんの得にもならない事ぐらい、自分たちが1番よく知っていた。

 だから。


「ねぇ、悠翔と尋翔ってさ、なんでそんなに似てるの?喋り方とかさ」

「分かる」

「っ!!」


 他人に言われると、


「消えろ」


 腹が立った。