「はぁ…、飽きてきた…。こうやって、壊すのも」

「んーーっっ!!ン`ーー!」

「っさいなぁ!」


 男は、バンッ!と強く机を叩いて、立ち上がった。


「なぁ~に…?もっと、きつく縛ってほしいの?ねぇ?」

「んんぅーっ!んんっっ!!」


 猿ぐつわをぐっと奥に押し込む。


「がぁっ!…っげっ、んぅ」

「ツバが手にかかったじゃん。汚いなぁ…」


 両手を後ろで結ばれている男の服で、手に付いた唾液をふき取る。

 にやりと厭らしく口角を上げた男は、ナイフを取り出し、両手を縛られている男の首筋にツゥ…と這わせる。


「ひぃっ……んぅぅっっーー!!…!」


 いやいやと首を振る男を見て、ナイフを持っている男は更に口角を上げた。


「いいよ…いいよ…もっと…もっとだ…。そんなんじゃ、足りないよ?ねぇ、もっと出来るでしょう?君ならさぁ…。……ねぇ?」

「ぁぁっっ……!!んぅーーー!…ぁぁあっっ……!」


 更に深くナイフを男の首に食い込ませる。


「んぁぁぁっっ!!んーーっ!」

「ふふっ…………。あははっ……。あはははっ」


 高らかに笑う男の目の端で、泡を吹いて気絶する男。


「ん?…あれれ。もうお終いかい?…つっまんなーい」


 もっと、楽しませてほしかったんだけどなぁ…。


 用無しとでも言いたげに男はナイフを投げ捨て、その場を後にした。