伊織くんと2人…
なにを話せばいいんだろう?
ちらっと斜め上の伊織くんを盗み見る。
「あ」
ひゃーっ
勝手に盗み見るつもりが、目あっちゃった!
「ご、ごめん」
私は急いでまたうつむいた。
「なんで謝んだよ〜」
伊織くんはケラケラと笑った。
ほんと、なんで謝っちゃうの私!
雑誌にネガティブな女子はよくないって書いてあったのを思い出した。
…………………
いきなり黙り込む伊織くん。
恐る恐るまた伊織くんの方に視線を向けてみる。
すると今度は伊織くんが私をじーっと見てた。
バッと視線をかえる私。
私の視界に入ろうと回り込んでくる伊織くん。
私は目をつぶりながら
「な、なにっ!」と言った。
すると、べつに〜。と言いながら
伊織くんは多目的室の中に入って行った。
ほ、ほんと、なんなの〜っ!
私、絶対顔赤かったよ。
ばれてませんように。