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恋、ねぇ……
5限目の英語の時間。
私は昨日の梨子とあずとの会話を思い出していた。
恋をしている2人はとても可愛い。
もともと可愛いけど、
もっとこう…女の子になったって感じ?
いやもともと女の子なんだけど…
私にないものを持っている気がした。
私が恋をするとしたら相手は…
伊織くん??
いやいや!!!
おこがましいって!!!
"みんなの伊織くん"
なんてフレーズがピッタリなくらいの人なのに。
いやでも私が喋ったことのある男子なんて、伊織くんくらいだし…
と、自問自答を心の中で繰り広げていると、先生のある言葉でそれは打ち切られた。
「高瀬!花野!思い出した!今日の放課後、代表委員のみ委員会があるそうだ」
先生このタイミングで思い出したのかよ〜
ある生徒が言う。
確かに。
時計を見てみると授業が終わる5分前だ。
代表委員の高瀬ってことは伊織くんだよね。
今頃伊織くんの名字知った。
「りょうかいっす」
左手で器用にペン回しをしながら答える伊織くん。
その姿は多分、誰が見てもかっこいいと思うだろう。
それに続けて私は、届くか届かないかの小さな声で、はい、と答えた。
伊織くんとさっそく委員会か
ちょっと…楽しみかも。うん。