ピリリリリ....
ピリリリリ....
ピリ...ガチャ
「...ふあ〜...」
AM7:00
私はいつも通りに起床。
「よいしょっと...花に水あげなきゃ」
重い体を起こして
部屋の窓を開けてベランダに出る。
すぅっと大きく空気を吸いながら伸びをする。
空を見上げて、今日は雲量5ってとこかな、と心の中で思う。
くるっと体の向きを変えて
「おはよ」
その言葉の行き先は
目の前のプランターに並んだ花たち。
近くにあるジョウロを手に取り
その花たちに水をやる。
一生懸命上を向いて綺麗に咲く花は、毎朝私にパワーをくれる。
私の数少ない友達のうちのひとりである。
私は部屋に入り、そっと窓を閉める。
すると
コンコン...
「しいなー、起きてるの?」
「はぁい、起きてるよ。今降りる!」
いつもより一階に降りるのが遅かったからか、お母さんが私を呼びにきた。
こんな小さなことでも気にしてしまうお母さんは、私の良き理解者でもある。
一階に降りると、ずらっとテーブルに並べられた朝食たち。
お母さんの席の向かい側に座り、斜め向かいの席が空いていることに気付く。
「あれ、お父さんは?」
「今日は早いみたいよー。...あ、ちょっと颯太、いただきます言った?」
「...言った」
不機嫌そうに答える、この中2男子は私の弟。
現在絶賛反抗期中です。
「えー?おねえちゃん聞こえなかったけどなー?」
「かーさんと喋ってたから聞こえなかったんだろバーカうざい」
...うん、言われると思ってた。
でも反抗期の弟をからかうのは少しおもしろい。
お母さんはやめときなさいって止めるけど。
...学校に居るより、家族と家にいたほうがずっと楽しいよ。
「ちょっと椎菜、時間大丈夫なの?」
「え?あ、もうこんな時間!着替えなきゃ!ごちそうさまでした!」
時間がないことに気付き、
バタバタと用意を始め出した。
「ふたりとも気を付けていってらっしゃい!」
「いってきます!」
「...ってきます」
なんだかんだで時間通りに家を出れた。
季節は春。
通学路の桜を見るのは2回目だ。
新しいクラスになったばっかりだけど、私は何も変わらない。
1年生の時と変わらず、2年生になっても私はひとりでいるんだろう。
...それでいい。
無駄な付き合いはめんどくさいだけだもん...。
