「あー、ごめん、一緒に選びたいのはやまやまなんたけど、今週毎日部活だー(泣)」

「やっぱかー、夏に水泳しないでいつやるんだ?って話だもんねー(笑)」

「うぅ、ほんとにごめんね、、、、。」

「いーよいーよ、仕方ないもん!」

なんか、申し訳ないな。

いっつも私、沙羅に助けてもらってるのに何にもできないとか。

でも、水泳部マネージャーは私だけだもんね。

個人の事情で休むわけにはいかないもん。 

「今度なんかあったときは意地でも手伝うから!」

「なにそれ」

2人でたわいもない話で盛り上がっていると予鐘が鳴り響いた。

2人して、あわてて走り出す。

「やっばい、遅れるーー!」

「大丈夫よ、葵。」

「沙羅だって全速力で走ってるじゃん!」

「そう??」

廊下を走り抜け、階段をかけあがりなんとかギリギリセーフで教室につく。

2年3組、これが私のクラス

今さらだけど、私=天野葵【アマノアオイ】は伊坂高校に通う高校2年生

私は小さい頃から泳ぐことが大好きで、水泳の強豪校として有名なこの学校に入った。

1年のときにあったある事件で泳げなくなってしまったけど、でも、プールの水面の輝きが忘れられなくて、私はマネージャーになったんだ。

「天野と凜堂、お前らギリギリだぞ、次はもっと早くこい!」

数学の担当教師、ヤマセン=山田仁【ヤマダヒトシ】に出席簿で頭をぽんとたたかれる

「ちょ、ヤマセン女子になにすんのー!(笑)」

地味に抗議して見るけれど、

「いいから席つけ!」

の一言でぶったぎられた。

くそぅ、ヤマセンめ!

ぶつぶついいながら席につくと、横からツンツンとつつかれた

「とんだ、災難だったね(笑)」

「ほんとー、なんで沙羅は起こられないのー!」

結局たたかれたのもわたしだけだし、、。

不公平だー!

「そこ、うるさい!」

後ろの席で話してたらまたまたヤマセンに怒られる。

ほんと、今日はついてない!