じゃ。そろそろ行くかな……。


私は大きく伸びをして深呼吸をした。
「ふっー。よしっ!!行こうっ!!」




「バキッ。ドカッ。」

「グシャ。」


「うっ。」

「ゲホッ。ガハッ。」





もう古すぎて壊れそうなビルの裏から、まさし く喧嘩真っ最中って感じの音が気こえてきた。


あれ?でもおかしいな。さっきから幹部の3人と翔の呻き声が聞こえるんだけど……。


まぁ、気のせいよね。あの子ら強いもんねー。


のんびりとビルの裏に行こうとした瞬間……


「やっ!!やめっ……てっ!!」

えっ?私は動きをピタッと止めた。


そう。私の大親友の杏奈の声がしたのだ。
私は、嫌な予感がしビルの影から喧嘩を覗きこんだ。


いやな予感は、的中していた。
杏奈は雷斗の総長、雷矢に人質として捕まっていたのだ。


雷斗めっ……。人質を取るとは分かっていたが、まさか……杏奈を人質に取るなんて。



プチッ



私の中のなにかが切れた。