「で、でも…でも…」 「どんな用事?」 「ええと…実家から 母さんが来るの… だから帰らなきゃ!」 「なんだあ…」 とっさに嘘を吐くと 課長はクチを尖らせて 肩をすぼめて がっかりした顔をする。 「駅まで送っていくよ…」 「いや、大丈夫!!」 「大丈夫じゃないじゃん」 即効で着替えを済ませて 玄関まで行くと 「ユカちゃん、 お別れのチュウは?」 またも体中に鳥肌が立つ。 ちょっと…カンベンしてよ… しかし 春の人事…昇給… 仕方がない。 何があったの昨夜!! 早くそれが知りたい。