ユーダリル


「そうでしたか。失礼しました。それとはじめて訪れた者は、島の隅に行くのは危険ですので」

「落ちます」

 これは、冗談で言っているのではない。島の端に木製の柵を設置しているが、油断すると落下してしまう。それに相当の高さがあるので、落下すれば即死は免れない。また、生き残っても全身複雑骨折だ。

 ゲーリーが語る言葉に、シュナイダーは身体を震わす。流石に今の言葉はかなりの効果があったのだろう、徐々に顔から血の気が引く。更に恐怖心が全身を包んでいるのか、目が虚ろだ。

「き、気を付けます」

「俺達が、守ります。なあ、ウィル」

「うん」

 ゲーリーの振りに、ウィルは頷いて返す。何事も、真面目に仕事を行なうのがウィルの特徴。またゲーリーもこのような性格であるが、ウィルと同様にきちんと仕事を行なう人物だ。

 しかしシュナイダーは、何処か不安を持っていた。彼は言葉に出すことはしないが、特にゲーリーの動向に不信感を抱いている。何せ、このように冗談を言い続けているのだから。

「さて、行きましょうか」

「は、はい」

「あと2つほど、橋を渡ります」

「まだ、渡るのですか」

「申し訳ありません。島が多いですので、それを繋ぐのは橋しかないので……ですので、沢山渡ります」

 その言葉に、シュナイダーは大きく頷いて返す。ゲーリーよりウィルの方を信頼しているので、彼は素直に従った。

 一方シュナイダーの心情に気付いていないゲーリーは、自分が先頭に立って歩き出し周囲の建物の説明をしていく。

 仕事半分観光半分。ノリノリで語るゲーリーの姿に、ウィルは苦笑しシュナイダーに詫びていく。

「いえ、勉強になります」

「そう言ってくれると、助かります」

 ゲーリーに不信感を抱いているシュナイダーであったが、彼の説明に関しては面白いようで楽しんで聞いている。また好奇心が擽りだしたのか、不信感を抱いているゲーリーに質問を投げ掛けていく。するとゲーリーが裏返った声音で、質問に対して答えていくのだった。