「それは、天候の影響だよ」
男の説明にユフィールは周囲に視線を走らせ、自分達が暮らしているユーダリルの状況を考えていく。
しかしそのように説明されても、ユフィールが地上に行ったのはウィルとの買い物くらいだ。
その為、男の説明がいまいちわからなかった。その大きな理由は、地上の知識に乏しいからだ。
「……そうなのですか」
声音が、明らかに小さい。その反応で「全くわかっていない」と瞬時に判断したウィルは、ユフィールに丁寧に説明していく。
流石、ユフィールを熟知しているウィル。彼女にわかり易いように説明し、知識を与えていく。
「そうなのですか!」
「そういうこと」
「では、本当に大変ですね」
「そういう訳が関係し、ユーダリルで生き物を飼育するのは難しいんだ。だから、収入が低い」
知らなかった真実にユフィールは、何処を見ていたのだろうと情けなくなってしまうが、それは仕方がない。彼女の両親は、牧場経営をしていないからだ。また、親戚の中にもいない。
しかし今日、牧場経営について学習することができた。ユフィールは両方の手を握り締めると、男の前に歩み出て「頑張って下さい」と力強い言葉を掛け、瞳をキラキラと輝かせていた。
「わかってくれて良かったよ、お嬢ちゃん。ああ、紹介が忘れていた。俺はこの牧場を経営している、ダニーだ」
「わ、私は……ユフィールと申します」
「ラヴィーダ家のメイドか」
ダニーと名乗った男の言葉に、ユフィールは大きく頷いて返す。その反応にダニーはユフィールを眺めると、一言「イメージが違う」と、ポツリと呟いていた。勿論、ユフィールは意味がわからない。
だが、ウィルは違う。彼はダニーが何を言いたいのか、すぐにわかった。それは、ラヴィーダ家で働いているメイドの存在だ。
彼女達が持つ破壊力は、実に凄まじい。女の身でありながら筋肉モリモリの男と互角に戦い、簡単に勝ってしまう。まさに、最強のメイド集団。ダニーも「ラヴィーダ家のメイドは恐ろしい」と、認識している。だからこそ、弱弱しいユフィールを凝視してしまったのだ。


