ウィルの激しい拒否の仕方を見ていると、流石にユフィールは「戻りましょう」と、言うことはできない。それに彼女も、ウィルと一緒にのんびりとした時間を過ごしたいという気持ちを持っていた。
「何処へ行こうか」
「それでは、端っこがいいと思います」
「端?」
「お屋敷と港の近くですと、見付かります」
「ああ、そうだ」
ユフィールの言葉に、ポンっと手を叩く。確かに、ユフィールの言葉は正しい。誰か知り合いに見付かり、遊んでいるところを目撃されたら大変なことになってしまう。そして更に、アルンや両親の耳に入ったらとんでもないことになってしまうだろう。特に、説教は免れない。
「じゃあ、遠い場所へ」
「それなら、行きたい場所があります」
「何処?」
「沢山のお花が綺麗に咲いている、小さい島です。小さい頃、其処で花の冠とか作っていて……」
話している途中で恥ずかしくなってきたのか、ユフィールの顔が徐々に赤く染まっていく。しかし花の冠で、ウィルは笑ったりはしない。寧ろ、女の子らしくて可愛らしいという。
「本当ですか?」
「本当だよ」
「……良かった」
「じゃあ、セシリアさん……じゃなくて、義姉さんも作っていたのかな。そういうイメージは、ないけど」
「お姉ちゃんは、作っていないです」
「ああ、そうなんだ」
ユフィールの話では、セシリアは昔から勉学に力を入れていたという。そして読書も好んで行い、一日何冊も読み高い教養を身に付けていったらしい。それが幸いし、現在の職業に就いた。
「義姉さんらしい」
「姉妹で違うと、言われました」
しかし、全ての兄弟や姉妹の性格が一緒というわけでもない。現に、アルンとウィルがいい例だ。二人の性格の根本的部分は似ているが、ウィルはアルンのように我儘な性格の持ち主ではない。それを考えれば、セシリアとユフィールの性格と好みが違ってもおかしくはない。


