異性に見られるのも勿論、特にウィルに見られるのが一番恥ずかしかった。だからこそ、スカートの中が見えなかったことにホッとしてしまう。それだけ、ウィルに対して意識してしまうのだった。
「ユフィールが無事で、良かったよ。で、改めて出発。早く探さないと、いっぱいになるから」
「ですね」
その後、ウィルはユフィールの安全を図る為に、彼女の後から付いていく。そして橋を渡り切ると、今度は並んで街の中へ入って行った。宿の場所は、すぐに発見することができた。
それは、古めかしい看板が宿の前に掲げられていたからだ。そのお陰で迷わず探すことができ、時間が大幅に短縮することができたのだった。ウィルはユフィールと一緒に宿の中に入ると、店の主人らしき人物に二人用の部屋が空いているかどうか尋ねる。すると運良く、一室が空いているという。
「本当!?」
「本当です」
「どのような部屋?」
「ご覧になりますか」
「勿論」
ウィルの言葉に主人は軽く頷き返事を返すと、空いているといわれる一室へ案内する。その部屋は、建物の2階の角から3番目の部屋。それほど大きい部屋ではなかったが、清潔感が漂ういい部屋だった。それに最低限の物も置かれているので、長期滞在も可能である。
「ウィル様、いい部屋ですね」
「でも、あの親だからね」
「二人が、泊まられるのではないのですか?」
「違う。親が泊まるんだよ」
「失礼ながら、貴方のファミリーネームは……」
「ラヴィーダです」
ファミリーネームを聞いた瞬間、主人は困った表情を作る。それを見た瞬間、ウィルはこの宿を予約するのを諦めた方がいいと悟った。理由は、聞かなくてもわかる。これも、アルンが影響しているのだ。
「兄貴ですか」
その言葉に、主人は頷き返す。主人の言葉に、今度はウィルが困った表情を作ってしまう。流石に今回は、無理を言うわけにはいかない。無理に両親を泊めてトラブルが発生したら、とんでもないことになってしまうからだ。ウィルはやれやれと肩を竦めると、ユフィールに次を探そうと言った。


