何せ、両親はあの性格。
式に参加した瞬間、すぐに雰囲気を持っていく。
最初から参加した場合、間違いなく式を潰してしまう。それを考えると、途中参加は有難い。
しかし――
両親が来た時が、恐ろしい。
「ねえ、宿泊するの?」
「勿論だ」
「兄貴、宜しく」
「お前、逃げる気か」
「当たり前だよ」
弟の薄情な態度に、一瞬顔が歪む。普段のアルンであったら、両親から弟を安全に逃がす。
しかし今日は、一緒にいて欲しいと思う。
何せ、新婚初夜。あのぶっ飛んだ両親によって、台無しにされたくないというのが本音だ。
「じゃあ、宿を予約とか」
「それもいいな」
「じゃあ、ユフィールと一緒に探してくるよ。兄貴達は、主役だから動くことができないだろうし」
「助かる」
流石に、両親のことで主役の二人が会場から離れるわけにはいかない。それなら、自由に動けるウィルが何とかするのが一番。今回の件に関してアルンは、金に糸目はつけないという。
それだけ、必死だった。
「行ってくるよ」
「任せた」
「了解」
珍しく、兄弟で意気投合する。
互いに手をタッチさせると、アルンはセシリアのもとへ行く。一方のウィルはユフィールに「宿探し」の説明をすると、建物の中へ入っていく。そして、互いに普段着に着替えるのだった。
といっても、ユフィールはいつものメイド姿。どうやら、この服装の方が動き易いらしい。これに関してウィルは、特に何も言うことはしなかった。彼にしてみても、メイド姿の方が見慣れているからだ。またどちらかというと、メイド姿の方が可愛いというのもあった。


