「本当ですか!」
信じられない内容に、ユフィールは何度も聞き返す。彼女にしてみれば、アルンと姉の結婚には時間が掛かると予想していたが、まさかこんなに早くプロポーズを行なうとは――
ユフィールの口許が緩んだ。
「嬉しいです」
「そうだね」
「式は、いつでしょうか」
「それは、まだ決まっていない」
今日プロポーズが成功したのだから、すぐに式の日取りが決まるものではない。しかし早く姉の純白ドレス姿を見たいのか、ユフィールはウズウズとしていた。それだけ、興奮している。
その時、メイドの休憩室の扉が開いた。どうやら数人のメイドが帰ってきたのだろう、廊下が賑やかだ。
「ウィル様」
「どうしたのですか?」
「ユフィールに話があるんだ」
彼の言葉に、メイド達は首を傾げる。そして、トラブルが発生したのか尋ねる。彼がユフィールに話がある場合、高確率で悪いことに繋がる。それを知っているので、メイド達の顔色が悪い。
だが、今日はそのようなことでユフィールのもとへ来たのではない。ウィルはメイド達に、先程の話をしていく。
次の瞬間、黄色い悲鳴が響いた。
「結婚なさるのですか!」
「おめでとうございます」
「いや、それは兄貴達に言って」
メイド達の祝いの言葉に、ウィルは突っ込みを入れる。まだウィルは、結婚を決意していない。それに、まだ仕事を楽しんでいたいと思っていた。その為、祝いの言葉に恥ずかしさを覚える。
ウィルの突っ込みに、これまた同時にメイド達が謝る。すると、また違うメイド達が戻って来た。勿論彼女達も、この騒ぎについて尋ねる。そしてアルンとセシリアの結婚の話で、黄色い悲鳴を上げた。
この屋敷では、ウィルとユフィールの恋愛以上に、アルンとセシリアのプロポーズを影ながら応援していたのだ。
それが今日、成功した。普段は真面目なメイド達だが、これを聞いた瞬間彼女達の様子が一変する。


