そうなれば、必然的にウィルに会う回数も多くなる。会うだけで、それ以上の進展はない。進展がなければ、恋人同士になることができない。
ユフィールにしてみたら、ウィルと今以上の進展を望むが期待できない方が多かったりする。
どうすれば、いいのか。ユフィールは花嫁修業ということで、必死に努力をしている。掃除・洗濯はメイドなので完璧にできるので、後は料理と立ち振る舞い。しかしそれも、周囲のお陰で立派になってきている。
「兄貴の結婚式だからね。行かないと、後で何を言われるかわからないし……行くと思うよ」
「あの……その時ですが……」
「一緒に行く?」
「宜しいのですか?」
「セシリアさんは、ユフィールの姉だから。行かないわけには、いかないだろうし。行けば、セシリアさんは喜ぶよ」
言いたいことを先に言われ、ユフィールは動揺を隠しきれないでいた。だが、頬をほのかに赤く染めると、無言で頷く。
結婚式が執り行われる礼拝堂は、神秘的な雰囲気が漂う場所。それでいて厳かで、多くの祈りが集まる場所。
いや、それだけではない。愛もまた語られる。
其処で愛する人と永遠の誓いをすることは、女性なら誰でも憧れるだろう。ユフィール自身が結婚式を行うのではないが、その場にいるだけでセシリアと同じ雰囲気を味わうことができる。
それは、遠い未来の話。
だが、アルンとセシリアの結婚は、周囲が望んでいる。そしてこのように話題に上るのだから、ウィルやユフィールにしてみればしてほしいと思う。メイドという身分の為、ユフィールは立派な服は持ち合わせていない。
セシリアはアルンと世界中を回ることが多いので、それに比例して様々な服を持っているらしいが、サイズの問題で借りることはできない。それに、二人の結婚式にメイド服での出席はできない。
そうなれば、買い物に行くしかないが、手持ちの金額を考えるとそれほど高額な服は買うことはできない。
ユーダリルの物価は、思った以上に高い。それは高級品に限ってのことであって、他の品物は庶民が手に入れる範囲の金額だが、ユフィールが買おうとしているのは高額品。いくら給料が良いとはいえ、無理して購入したら破綻してしまう。
どうすればいいのかと、前後左右に視線を走らせながらおろおろとするユフィール。そんな姿にウィルは、食事をしながら声を掛けた。


