それに、ウィルのこともそうであった。いい加減、弟離れをしなければいけない時期だ。今回が、良い機会だろう。ウィルは立派に成長し、恋人とデートを楽しんでいていい年齢である。
それだというのにアルンが邪魔をし、今以上に進展の見込みがない。表面上は付き合っているが、このままでは別れてしまう可能性も高い。それはそれで、実に可哀想だった。アルンが横から邪魔をしているが、しかしアルンには避けることができない立場が存在する。
セシリアとの結婚であり、弟の心配をする前に自分の身の振り方を考えないといけない。アルンの職業はウィルとは異なり、多くの人物に迷惑を掛けてしまう。トレジャーハンターの場合、全ての責任はウィルが被る。依頼者に迷惑をかけることもあるが、大半の場合はトレジャーハンター側が悪い。
しかし事業を行っているアルンは、アルンだけで済まない。会社で働いている社員達が迷惑を被り、最悪の場合は路頭に迷ってしまう。
それを考えるとアルンにはシッカリしてもらわないといけないが、アルンは気にする様子はなかった。ウィルを物事の中心に考え、他のことが考えられない。その為、セシリアが頑張らないといけなかった。社員の運命はアルンではなく、セシリアの動きに左右される。
「いずれは、認める」
「それは、いつですか?」
「……わからん」
「それでは、いけません。それに、ウィル様とユフィールの将来が……それに……私だって……」
いつもは厳しい口調で話すセシリアであったが、自分の将来のことになると急に言葉が詰まってしまう。やはり、彼女も女性だ。好きな人物と結婚するのは夢を見ており、同時い必死になる。
「セシリア?」
「何でもありません。さあ、両親のもとへお戻りになりましょう。きっと、心配なさっていると思います」
「いや、それはない」
両親の性格を把握しているアルンは、躊躇いなくキッパリと答えた。あの性格の持ち主が、心配などするわけがない。
寧ろ子供達の話をして、盛り上がっているだろう。あの二人は、そのような性格の持ち主。逆に心配をする方が、苦労してしまうだろう。長年の経験上、アルンはそれを知っていた。
それを知らないセシリアは、心配してしまう。よって、アルンの嘘だと判断してしまった。


