そして仲が良いことをアピールするかのように、互いに笑みをこぼしていた。
◇◆◇◆◇◆
半強制的に開かれた、最悪とも取れるお茶会。しかしこのお茶会が、普通に終わるわけがなかった。いかんせん、席に座っている人物が悪すぎた。不敵とも取れる笑みを浮かべている両親に、不機嫌なアルン。対立関係を見ているような構図に、メイド達は生きた心地がしない。
それはセシリアも同じであったが、感情を表情に出さない。ただ冷静な面持ちで、アルンの後ろに控えている。
「で、アルンちゃんの秘書は?」
唐突な質問に、アルンは紅茶を噴出しそうになる。いきなり、このような質問が投げかけられるとは。まさに、不意打ちそのもの。アルンは胸元を叩きながら、睨みつけてしまう。
「以前に紹介しました。もう、忘れたのですか」
「あら、そうだったかしら」
「……後ろにいる女性です」
その言葉に、両親の顔が明るくなる。そして暫くセシリアの顔を眺めていると、満面の笑みを浮かべた。どうやらセシリアのことが気に入ったのだろう、声音が急に変わっていった。
「名前は?」
「セシリアと申します」
「そう。アルンちゃんはこのような性格だけど、根は良い子よ。だから、見捨てないでね。可哀想だから」
「は、はい」
どのようなことがあっても、冷静な態度を貫く。それがセシリアの性格であるが、流石に相手が悪すぎた。今まで出会ってきた人物の中で、これほど扱いにくい相手はいないだろう。
「二人は、結婚するの?」
「何故、そのような。ウィルと同じことを――」
「結婚するの? ウィルちゃん」
「しません!」
ウィルのことが絡むと、反応が速かった。テーブルを力強く叩くと、必死に食い下がる。その反応に、両親は大笑い。その笑いに釣られたのか、セシリアやメイド達もクスクスと笑い出す。
「そんなに、ムキになるな」


