「だったら、何であたしと絢さんが似てるの…？……矢沢君が、絢さんに似てるあたしを見つけたからじゃないの…？」
「…………」
あたしが涙を堪えながらそう言うと、目の前の矢沢君はまたそっと口を閉じる。
「ねえ、何とか言ってよ、矢沢君…」
「………」
「……あたし、分からないままじゃ、辛いよ…」
「…………」
ずっと黙り続ける矢沢君に、あたしはとうとう一筋の涙が頬を零れ落ちた。
「あたしは絢さんじゃない…っ……東雲心だよ…！！」
「………っ」
それでも何も言って来ない矢沢君にあたしは物凄く嫌な気分になって、「もう良い！」ってそれだけを叫ぶと、この場をさっさと後にした。
