これが、あたしの彼氏です。【完】



それからの数時間後、昼休みは由希と一緒にお昼ご飯を食べて着々と時間が進んで行った。

5時間目の授業が終わり6時間目の授業が始まろうとした寸前、


――――ブブブ、


不意に、あたしの携帯が静かに鳴り響いた。

あたしはいきなり震えた携帯を手に取り、受信先を確認する。


「………え、」

すると、受信先に書かれてあった名前にあたしはつい心臓がドクンと跳ね上がってしまった。



"今日の放課後、校門前で待ってろ。"

それだけ書かれた、偉そうな短文。受信先には、もちろん矢沢心と書かれている。

「………」

あたしはそんなメールにどうしようか迷ったけれど、一応「うん、分かった。」と短くそれだけ返しておいた。

それからの授業は思考が放課後の事ばかりをグルグルしていて、あまり授業に集中出来なかった。仕舞いには小さな溜め息まで零れてしまう。

その後、終礼が始まったかと思えばあっという間に放課後を迎えた。