これが、あたしの彼氏です。【完】



「ただいまー…」

「あ、おかえりなさい心ちゃん。何だか顔色が良くないようだけど、大丈夫?」

「あ、うん。全然平気…」

その後、無事に家へと帰ると早帰りなお母さんが出迎えてくれて、あたしはそのままトボトボとした歩調で自分の部屋へと向かった。
自室の扉をしっかりと閉めて、制服のままベッドにダイブする。


「………っ」


胸がどうしようもなくズキズキと痛んで、仕舞いには喉の奥と目頭までもが熱くなる。

写真に写っていた絢さんは見間違える訳がないと言うほど、あたしに似ていた。

髪型を変えれば、あたしと絢さんはそっくりだ。顔の印象はまだあっちの方が大人っぽい感じがしたけれど、それでも似ている。

あたしと絢さんが――――似ている。

その事実が思っていた以上に辛くのしかかり、――――――不意に考えたくもない事が、嫌でもあたしの頭をよぎった。


「…………っ」



――――あたしは、今の今まで、絢さんの身代わりだったのかもしれない。


そんな事がつい頭をよぎってしまって、とうとう堪え切れなくなった涙がツーっと静かに頬を滑り落ちた。