これが、あたしの彼氏です。【完】



「それがずっと心残りだったんじゃないかな。シンはそれ以来一人も彼女作らなかったしね。……心ちゃんの前でこんな事言うのもあれだけど、シンは絢の事結構大事にしてたと思うよ」

「………っ」


―――胸が、苦しい。
絢さんに向けてなのか、矢沢君に向けてなのかは良く分からないけれど、どうしようもなく胸が苦しい。



「蒼稀君……、絢さんの写真とかってある?」

「え。あ、いや。それはやめといたほうが良いよ」

「どうして?あるなら、見せて欲しい」

「んー……、分かった。じゃあちょっと待ってて」

「………うん」

蒼稀君はそう言うと自室をガチャリと出て行って、他の部屋へと写真を取りに行ってくれた。

「…………」

別に絢さんの写真を見てどうこうしようだとかそんな事は一切思っていないけれど、でもほんの少しだけ、絢さんの顔が見たくなっただけだ。
―――あの矢沢君が、本気で好きだったという絢さんの顔が。


その数分後、写真が入っているらしい封筒を持って蒼稀君がこっちへ戻ってきた。