これが、あたしの彼氏です。【完】



「シンって結構有名だけど、でもそれって憧れや好意だけの有名じゃないじゃん?中にはシンを倒して自分が有名になろうと思ってる馬鹿な奴もいたんだよ」

「…………」

「そんな馬鹿な奴等が集まって何か作戦会議でもしたんだろうね。――――ある日、シンの彼女が拉致られてさ、」

「………え、」

「もちろんシンが助けに行ったんだけど、シンが助けに行く前に結構酷い事されたらしくて。……ほら、最近レイプとか色々あるじゃん?」

「………うん」

「………そんな極悪な事件に巻き込まれて絢も怖くなったんだろうね…。その数日後、絢は何も言わずにシンの前から姿を消したんだ」

「え」

「シンは頑張って探してたけどそれでも見つからなくて。……結局のところ、絢はシンから逃げたんだよね」

「………」

「そりゃ、怖いと思う。シンの隣に居たらもっと酷い事があるんじゃないかって。シンもそれに気付いてたはずだから、結構辛かったと思うよ」

「…………」

矢沢君の過去を聞いて、胸がズキズキと痛んだ。
その時の矢沢君の表情を思い浮かべてしまって、こっちまで心臓がギューっと締め付けられる。