これが、あたしの彼氏です。【完】



「………え、」

「ごめん。やっぱ言わない方が良かったよな」

「………いや、…大丈夫だよ…」


―――――どうしよう、胸が痛い。
今までだって絢さんの存在に胸を痛めては来たけれど、こんな心臓の奥までえぐり込まれるような痛みは知らない。

「………、あ、絢さんの事、もう少し詳しく教えてもらえないかな。矢沢君が寝言に出すくらい、大切な人だったの……?」

自分の声が、震えてしまっている。

「……えっと、ちょっと待って。心ちゃん、本当にこのまま話続けて大丈夫なの?今でも結構悲しい顔してるよ?」

「………えっ、うん。大丈夫。大丈夫だから、話してほしい」

「…………。分かった」

蒼稀君はあたしを心配したような目でじっと見つめた後、小さな声で話を進めてくれた。


「……絢は、シンに出来た初めての彼女で。確か中3の時だったかな。でも年が結構離れててさ、絢の方がシンより年上だったんだ」

「……え、」

「多分シンが中3の時、絢は20歳だったかな」

「え、そんなに?」

「うん。5歳差だよ。中3と20歳って考えたらちょっと付き合うのにためらう年齢差だよね。シンもまだ中学生だったし」

「………」

「その交際も半年くらいは上手く行ってたんだ。―――でも、急にある事件が起きて……」