これが、あたしの彼氏です。【完】



「今日はシンと一緒に登校じゃねぇの?」

「え?あ…、うん。ちょっとね」

「ふーん。何?まさか喧嘩とかー?」

「いや。ちょっと違うかな……」

「ふーん。でも、何かあったっぽいなあ。シンに酷い事でも言われたか?」

「あ、ううん。……原因があるとしたら、あたしの方…」

「えっ、何か意外。心ちゃん、シンを怒らせたの?」

「……え、うん、多分。……でも、あたしがね…、」

「ん?」

「あ、いや。何でもないの」

あたしは蒼稀君に一体何を言おうとしているんだ。
「絢さんについて聞こうと思ったら矢沢君がいきなり機嫌悪くなっちゃって」なんて、蒼稀君に言ったって何の意味もないのに。

「…………」

(……………あれ?)


「………あ、」

「心ちゃん、どうしたの?」

「あ、いや、…そ、蒼稀君って矢沢君と出会ってからどれくらいの付き合いになるのかな」

「えっ、俺とシン!?え、えーっと、もう7年くらいの付き合いだと思う。小学生のころから仲良いし」

「そ、そっか」

「うん」

小学生の頃から仲が良いってことは、蒼稀君は矢沢君の今までの過去をほとんど知ってるのと差ほど変わりはないんだ。

あたしは蒼稀君のその言葉を聞いて、かすかな期待を抱いた。


凄く言いたくなさそうにしていた矢沢君には本当に申し訳ないけれど、蒼稀君に聞けば絢さんの事が少しくらいは分かるかもしれない。