その後、「次は山本駅です」と言う車内アナウンスが聞こえて来てあたしはそれにハッとすると、未だに隣でぐっすりと眠っている矢沢君の肩をトントンと叩いた。
「矢沢君、あたし次降りるよ」
「………」
「矢沢君」
「ん、」
「……起きた?」
あたしがちょっと強めに肩を押すと、矢沢君の瞼もゆっくりと開く。
「あたし、次降りるよ」
「……ああ、」
「目覚め悪い?」
「ああ。……完璧寝入ってた」
「あー、そっか。ごめん。……そんなところ物凄く申し訳ないんだけど……」
「あ?」
あたしは段々と小さくなっていく声でそこまで言い掛けて、一旦息をゴクンと飲み込んだ。
「は、話したい事があるから、矢沢君も一緒に山本駅で降りてくれないかな……」
「……何だそれ」
「……お願いします」
「チっ、仕方ねぇな。手っ取り早く済ませろよ」
「うん。ごめんね、ありがとう」
あたしがそう言うと矢沢君は渋々それを受け入れてくれて、矢沢君と一緒に山本駅を降車した。

