「………しんどい」

高熱の風邪なんて、去年か一昨年に一度か二度罹(かか)った事があるくらいで、久し振り過ぎる所為もあってからなのか、正直今回の熱は本当にしんどい。

「…………」

何もしなくても眠気が襲って来るし体はだるいし関節は痛いし、頭もズキズキするし体温も異常に熱い。

何とか枕元に置いてあった体温計にそっと手を伸ばして、それを脇に挟む。
数秒後、ピピピと体温計が鳴って、あたしは恐る恐る今の体温をそっと確かめた。


「………。39度、1分…」

あたしはそんな体温の高さについ気が滅入ってしまった。

ベッドに潜り込みこのまま目を閉じて寝てしまおうと思っていたら、―――不意にブブブブ、とマナーモードに設定にしていたあたしの携帯が、静かに鳴り響いた。