「…んー、駄目だ。チカラが入らない」


あの日、矢沢君が助けてくれた日から早数日。

あんな事があった次の日からはまるで今まで何もなかったかのように、数々の嫌がらせや悪口も、あのギャル女達の呼び出しも全て奇麗サッパリ無くなった。

あたしは矢沢君のおかげでまた前と同じ日々を送れるようになって、今はそれなりに楽しい日々を送っている。


けれど。そこでつい羽目を外し過ぎてしまったのか、


「……んー、関節が痛い…」

「心ちゃん?お母さん仕事行ってくるけど、何かあったらすぐにでも電話して来るのよ?お薬もちゃんと飲んでね」

「………はぁい」


不覚にも、高熱の風邪をこじらせてしまったのだ。