「そ、そんな事あるわけない…っ!」

「うるせぇな。お前も俺に惚れればいつかはあるんだ」

「な…っ」


そう言って嫌らしい笑みをニヤリと浮かべる矢沢君は、


「惚れたらしてやる」


そんな反則の領域を超えたような言葉をあたしの耳元で囁いて、最後にあたしの頭をポンポンと撫でた。


「………っ」

………何それ。もう本当にありえない。

上がり過ぎた体温と、真っ赤になり過ぎた顔を隠すため、あたしはパッと顔を下へ俯かせた。



「…や、矢沢君、もう暗いし帰ろう?」

その後、何かと長居し過ぎた教室を後にして、あたし達はさっさと家へ帰る事にした。