「おい」
「………」
「おい」
「は、はいっ」
「…何ボーっとしてんだ、お前」
「あ、…ちょっと考え事を」
「ふーん」
二人の顔を観察してましたなんて言えず、あたしはいつのまにか止まっていた手をもう一度動かして、残りのお昼ご飯を黙々とたいらげた。
「なあシンー。今日遊ぼー」
「あぁ?無理」
「良いじゃん!今日はカラオケ。心ちゃんも連れて来て良いからさあ」
「行くか。心は真っ直ぐ家に帰んだよ。それに昨日ゲーセン行っただろうが」
「えぇ。だってそれは、お前が来るの待ってたんじゃん。なあ?心ちゃん」
「…えっ!?あ、…うん…」
いきなり話を振られ何て答えたら良いか分からず適当に言われた通りでそう答えると、隣の矢沢君が何故か眉間にギュッと皺を寄せて、あたしをじとっとした目で睨んで来た。そんな矢沢君にあたしもチラリと目を向けると、今度は何故かフイっと目を逸らされてしまう。
やっぱりいまいち矢沢君の考えてる事がよく分からない。

