「蒼稀と昨日話してたのは当然知ってんのよこっちは。本当有り得ない。シンの事もそうだけどさ、こっちもいつまでもちまちまやるつもりなんてないから、今日でケリ付けてあげようかと思って」
そう言ってニッコリと笑うギャル女に、あたしは何故かブルリと背筋が震えた。
「………え」
「ね、嬉しいでしょ。東雲さん」
「…………」
あたしが頭に「?」をたくさん浮かべながら目の前のギャル達にそっと目を向けると、
「……だから、今すぐシンと別れな」
物凄い鋭い目付きで、ギャル女がそう言い放ったのだ。
「………え」
「そうしてくれたら、あたし達引き下がってあげる」
「……」
「あんたみたいな例外が居ると本当邪魔なんだよ。シンの隣にもふさわしくない女が出しゃばんな」
「……っ」
……別れる?あたしと、矢沢君が?
「別れて下さいって電話したらすぐじゃん」
そもそもあたしは、矢沢君と付き合ってるとか以前にそんな関係を認めた事がないから、何て答えれば良いのか分からない。けど、もし此処であたしが矢沢君とお付き合いしてるだなんて認めていませんとハッキリ言ってしまえば、ギャル女達の逆鱗に触れるのは明確だろう。それだけは避けたい。

