これが、あたしの彼氏です。【完】



あたしはそれを蒼稀君の足音だと思い、スッと後ろへ振り返ると――、


「蒼稀く……―――」

「ああ、やっぱ来たんだー。この方法間違いなかったねー」


―――何故かそう言って嫌らしく笑う、同じクラスのギャル軍団が、あたしの目の前に立っていた。


「…………え、」

一瞬頭の中が混乱して、言葉が詰まってしまう。


「……残念だけど、蒼稀なら来ないよ」

言ってる意味が分からなくて、つい目の前のギャル軍団をじっと見つめてしまう。

「何その顔?蒼稀が来るとでも思ってたのー?……そんなわけないじゃん。あれ、あたし達が書いたんだからさ」

「な…っ、……だ、騙したの?」

「それ以外に何があるっていうの?ホント鈍いよね、東雲さん」

「…………」

(……何それ、)

こんな簡単な手口に、あっさりと騙された自分が物凄く恥ずかしい。

「そ、蒼稀君使って呼ぼうだなんて、そんなの卑怯だよ…っ」

「はぁ?卑怯なのはどっちよ。蒼稀まで味方に付けちゃってさー」

「………え」