そんな事を考えながら、午後の授業も着々と過ぎて行った。
午後の授業も終わり、長い長い担任の終礼が始まる。最近よく喋る担任の話にはクラスメイトも飽き飽きしていて、そこからようやく数十分と長かった担任の話から解放されやっとのこと放課後を迎えた。
「じゃあ心、また明日ね」
「うん。由希も部活頑張ってね」
「分かってるよー。あ、心は今日も一人で帰るの?」
「え?うん。そうだけど?」
「ふーん。まあ矢沢君を遠ざけるのも分かるけど、あまり避けてたら逆に怪しまれちゃうかもよ?それじゃあねー」
「……えっ、ちょ」
由希はそれだけ言い残すと、手をヒラヒラと振ってそそくさと教室を出て行ってしまった。
由希の言い分は、十分に分かる。こっちだってそういう不安がないと言えば嘘になる。
でも、だからと言って。今矢沢君と一緒に居たらもっとこの状況が悪化してしまうような気がして、どうしても一緒に居ることを避けてしまうのだ。今のこの状況をどうしたらいいのか、サッパリ分からない。

