これが、あたしの彼氏です。【完】



――――その翌日、あたしはめげずに学校へ向かった。
今日は移動教室もなくノートをひたすら取るだけの授業だということもあり着々と時間が過ぎて行った。

その後の昼休み、由希と一緒に購買へ行って教室に帰って来ると、

「……あれ?」

何故か、机の上に一枚の紙がポツンと置いてあった。
あたしは裏返しにされてあったその紙をヒラリとめくり、書かれている内容にそっと目を向ける。


"何回もごめん。
今日の放課後、ちょっと裏庭まで来てくれない?"

それだけ書かれた、一枚の紙。
その紙の端には、昨日久し振りに会話した蒼稀君の名前が書いてあった。

「…蒼稀君から?」

あたしは何の用事だろう?と思いつつ首を傾げて考えたけれど、まあ蒼稀君が言うなら…と何も疑うことなく放課後その場所へ向かう事にした。