これが、あたしの彼氏です。【完】



「ちょっと来て?」

「え、うん…」

いきなり声を掛けて来た蒼稀君にそう言われ、あたしはトボトボとした歩調で蒼稀君の後ろを付いて行った。


「ここでいっか」

すると、何故かひと気がない廊下まで連れて行かれて、そこでピタリと蒼稀君が足を止める。

「あのー…、何でしょうか」

「え?ああ。ってか敬語は良いから。俺等同い年なんだしさ」

「あ、ごめん」

「いや、良いけど。……それより」

「え?」

蒼稀君はそう言うと、何故かいきなり真面目な顔であたしをじっと見つめて来た。
そんな蒼稀君にあたしが首をかしげると、蒼稀君は小さな声でそっと話を切り出して来た。


「……最近、俺のクラスでお前とシンが付き合ってるって噂が凄くてさ、」

「………」

「それも、悪い意味で色々広がってやがるから、」

「………」

「…正直大丈夫かなーと思って」

「あ…、」

「何かあったんじゃねえの?…大丈夫かよ」

「…え!?いや、全然大丈夫だよ。あたしも全然気にしてないし…」

「……ふーん」

やっぱり、他のクラスにも色々と広まっているんだ。と言うかそれが当然だろう。あんな堂々と学校の掲示板に写真を貼りだされたのだから。

「…………」

でも、他のクラスにも色々と広まっているのだとしたら―――。