あたしはそんな光景に首を傾げながらも、ちょっとした興味本位でみんなが集まっている人だかりの場所へとこっそりと足を向けた。


「―――ねぇ、これってホントなの?」

「マジだったら、超ショックなんだけど」

「というか、ムカつくよね」

あたしが足を進めるうちに、女子のそんな低い声がひっそりと聞こえて来る。

一体何の話だろうと思いつつも、こっそりと人だかりの場所へと到着すると、あたしは不意に映し出された目の前の光景に、嫌でも体がピキリと固まってしまった―――――。


「………え、」

一瞬、自分の目を疑った。

(……どう言う事。……これ)

ドクンドクンドクンと心臓は大きく高鳴り、全身の血の気がサアっと引いていく。

「…なに、これ、」


――――――あたしの目の前には、見覚えのあるあの夏祭りの日の写真が、新聞の一面みたいに大きく学校の掲示板に貼り出されてあった。

それも運が悪いことに、貼られてあった写真は矢沢君とあたしが手を繋いで一緒に帰っている時の写真だった。