青い猫の鈴







一side





朝から雨が降り続ける中俺たち三番組は巡回の最中だった。



俺の後をついてくる他の平隊士の声に耳を傾けながら京の町を歩いた。



「雨が鬱陶しい…」


一人の隊士の言葉に空を見上げた。


確かに雨は体を濡らし、その所為で衣服が体に張りつくのは気持ち悪いが、しかし、俺は不思議と雨事態は嫌いではなかった。



「斎藤組長、そろそろ交代の御時間です」



昼の巡回の時刻はあともう少しだった。



「屯所の方へ戻ろう…しかし油断はするな」


「「「御意」」」



足を屯所の方へ向きを変え終盤に入った巡回を続けた。



屯所の近くまで戻ると水が溢れた小川が目に留まった。


水の流れが速くなっている小川に何かが…



「っ?!」


「へ?く、組長?!」


隊士の声に耳を傾けず、流されてしまっているそれに向かって走った。



「おい!!」


声をかけるが返事がない。


気を失っている…?


早く引き上げなければっっ


俺は何もかもを身に着けたまま流れが速くなっている小川に飛び込んだ。