マルカポーネの心配事


プリンは上から目線で俺を見て
優雅に男の腕から芝生に降りる。

「こんにちはお嬢様」
うやうやしくプリンに挨拶すると

「ごきげんよろしくて?」
負けずに俺に微笑むプリン。

たまらんわー。女王系悪女?

「マルちゃんこんにちは。ここ広いね。プリンも思いきり走っておいで」
大きく背を伸ばし
男は俺に挨拶してから周りを見渡す。

ユニクロシャツの似合う男は、爽やかな眼鏡男子。
顔も俺より落ちるけどまぁいいオトコ。

「ヨシ君はパソコン関係の仕事だから、外の空気が嬉しいんだよね」
俺より一回り大きなプリンは、うっとり顔で自分の飼い主を見上げる。

お前も飼い主大好きなの?
俺と一緒じゃん。

「いい場所を教えてもらってよかったです」
男は由紀を見て微笑み
由紀も嬉しそうに微笑む。

あれ?
これって……おい!

由紀!
お前『男はもういらない』って言ってたじゃん!

嫌な予感プンプンで、由紀と男の間に割り込もうとする俺。

「ヨシ君は優しくていい子なんだから。邪魔しないでよ」
プリンが俺の首輪をかじって引っ張る。

「俺の由紀は男に騙され続けて傷付いてんだよ。傷口広げんな」

男なんてコリゴリだろ
お前は俺がいればいいんだろうが。

俺が幸せにしてやるから
他の男は

おいおい!
なんだよ、その恋するいつもの目つき!

俺の存在忘れんな!