「…………ッ!レ、レインッ!」
「ッッ!………………………カハッ!」
「しっかりしろ!死ぬな!!」

燃え上がる火柱。レインを包み込む炎の渦。
そして、レインを呼ぶ誰か…………。

「キィィィィィィィィィィィィンンン……!」

「~~~~~~~~~~ッッ!!」

なにかが、レインを呼ぶ。
そこでレインの意識は、途切れた。






「………………っっ……。ここは………」
「……目が覚めたか……」
「!!」

反射的にレインが後を振り向くと、一人の男が立っていた。
歳は、レインと同じ十代くらい…。
しかし、その瞳は赤く光っていた。

「誰…?」
「レイン、あんたはまだ倒れたらだめだ。」
「なぜ、私の名を知っている…」

男は、レインの質問に答えず腰に吊るしていたものをレインの前に付き出した。

「これで、戦うんだ。使い方は、あんた自身がよくわかっているはずだ」
「これは…………」

男から渡されたものは、銀色にするどく光る
一振りの剣だった。

「レイン、忘れてはいけない。自身が、交わした約束を」
「約束………?」
「そう…。約束だ。けして忘れてはいけない…」
「…………本当に、お前は誰なんだ……?」
「俺のことなんてどうでもいい…。
…………思い出せ。レイン…忘れてはいけない」

「ブァァァァァァァァァァ!!!!」
「ッッ!」

激しい風が舞い起こったかと思うと、男の姿は、もうどこにもいなかった。