ふたば

「……」

悠は、こぎながらも黙っていた。

「……悠?どうしたの?」

いったん美紀は、ブランコを止めた。


「俺さ…」

悠は、こぐのを止め揺れだけに身を任せた。

「俺…」

美紀は、不自然な悠をじっと見つめながら言った。

「『俺』がどうしたの?」
悠は、照れ臭そうに頭をかきながら続きを言った。

「俺……美紀が好きだわ…」


じっと聞いていた美紀は、想像を遥かに超えた言葉に驚いた。