「おかあさんじゃ ないの…?」
震える 私の声。


「まどか…」
私を抱きしめようとする 女性の温かな声が 私の涙腺を ゆるませる…。


私の名前を知っている…。
確かに 女性は 私のお母さん…。


お母さんとの距離は わずか一メートル。

なのに お母さんは 私を抱きしめてはくれない。


「近寄らないで!!」 お母さんの言葉が 脳で繰り返される。


「おかぁさん…!! 円だよぉ…。」
私の声に ただ抱きしめてほしいの…。


お母さん…。
真実を知りたいの…。

母は 一メートル離れたその場で ゆっくりと語り始めた。