穏やかに微笑むものへと戻されたその表情の、僅かな合間に見えたそれ。
それは苦しげだった。悔しげだった。
それを全て穏やかなもので包んで隠してる。あたしに見せないように。あたしにその想いを見せる事、それは無意味な事だから。あたしに気を使わせてしまう、そんな無駄な事だから。
きっと進藤はそう思ったんだ。だって進藤は勘違いしてる。
あたしとコースケが上手くいってる、なんて、そんな勘違いをしている。
だから想いを受け入れて吐き出した後、そこに残る清々しさの中に潜む正反対の感情を、今押し殺そうとしている。
あたしには分かる。同じ気持ちが、分かるんだ。
「進藤…」
進藤は、自分の多くを語らない。
肝心な部分をいつも隠してる。
「あたしは進藤の事が信じられないって…言ったよね」
「…そうだね。結構何度も言われてる」
でもそんな彼が今、こんなに全てを曝け出してる。それに清々しさすら感じてる。
あたしの感じる想いと同じそれを、進藤も感じてる。
「こんな風にされたら…信じるしか無いよ。違うなんて言えないよ」
「……え?」
「だからね、もう全部信じるから、だから教えて欲しいんだ」



