清々しい。進藤はとても清々しい表情をしていた。
好きになった方の負け。だから俺の負け。そう進藤は今あたしに告げた訳だけど、それはつまり進藤があたしの事を好きだって認めたって事で、それって結局何にしてもあたしに負けたんだって本人が認めたって事な訳だ。それをそんな風に清々しく認めるなんて、そんなの今までの進藤からして考えられないような事でもある訳で…
「な、何?なんで?だったらなんでそんな顔してんの?」
素直に驚いてしまった。そんなの進藤からしたら嫌な事だろうに。認めるなんて悔しくて仕方ない事だろうに。
それなのになんでそんなに清々しい顔をしてるんだろう。
「…うん。なんかスッキリしたんだよね」
「…スッキリ?」
スッキリって?と、尋ね返すあたしに進藤は、決まった何かを抱いているような、そんな強さを持った瞳をあたしに向ける。
その感じる想いの強さにあたしは少したじろいでしまったけど…でもそこにあたしは、ハッと何か察するものがあった。穏やかで清々しくてそれでいて熱い、それにあたしはどこか心当たりがある。
「認めて受け入れたらスッキリした。今思えばさ、俺はもう手遅れになってたんだよな」
「?、手遅れ?」
「そう。それを受け入れたらもうどうでも良くなったんだよ、意味とか理由とか駆け引きとか。だって結局おまえがどこ見てたって、俺はおまえが好きなんだ」
そう告げた進藤は、その表情を少し崩して続ける。
「例えおまえが、中村と上手くいってたとしたって」
ーーと。



