問い質していたはずなのに、気づけば漏れていたあたしの心の声。それに進藤はようやく足を止めて、ついでのように返ってきたその声は…“面倒くさい”、そんな気持ちが露わになっていた。


「…、何がよ」

「いつもいつも、なんでおまえの中の俺はそうなる訳?」

「な、なんでって、なんでも何も無いじゃん」

「無いって何。どうしてそうなるのか俺にはさっぱり分からない」

「なんでよ!なんで分かんないの、進藤がそうしてるんじゃん!」

「俺が?俺のせいって事?」

「そうだよ!決まってんじゃん、それしかないじゃん!」

「そうなんだ。じゃあキスでもしたら分かってくれる?」

「…は?」


…一瞬、時間が止まったんだと、本気で思った。


というか、今現在この世界では止まらざるを得ないような出来事が起きたんだって、きっと世界はおかしな事になってるんだって、そう思いたかった。

きっとあたしの所だけじゃない。世界がそうなんだ。だからあたしの所にもその影響が、


「って、ちょっと待って、止まって!ストップ!」