その力に逆らえず、思わず立ち上がったあたしはその瞬間に手を取られ、そのまま教室の外へと強い力で連れ出されてしまう。


ーーグイグイと、あたしの手を引いて進んでいく進藤。手を引かれたままついて歩くあたしは奴の背中を見る事しか出来なくて、今置かれてる状況が理解出来ない。

進藤が一体どんな目的でなんでこんな事をしてるのか、さっぱり分からない。


だから背中に、問い質す。


「し、進藤!」

「……」

「ちょっと、痛いって、離してよ!」

「……」

「離してって!訳分かんないって!」

「……」

「ねぇ!聞いてんの⁈ 何なのもう、何でこんな事するの?」

「……」


進藤からの、返事は無い。


「…なんでよ、なんで答えてくれないの?何なの本当…」


進藤は、前を向いたまま。絶対何かあるはずなのに、それをあたしに教えてはくれない。

…ムカつく。


「いつもそう…進藤はいつもそうだよ」

「……」

「あたしに何にも教えてくれない。進藤が何考えてんのか分かんない。何なの?どうせあたしの事なんて何とも思ってないクセに。あたしなんて眼中にもないくせに!」

「だから、なんでそうなるの?」