「ちょっ、ちょっと待って!」
これ以上は取り込めない!と、まずは一度ストップをかける。もう今にも煙が出るんじゃないかってくらいあたしの頭はフル稼働しているってのに、まったく作業が追いつかないのだ。
可笑しい、嬉しい、絶対変、やっと…いや違う、信じられない!、でも本当は、だけどそんなの、でももしかしたら…
もう、想いと言葉の行ったり来たりが半端ない。だからあえてもう一度何の話だったのかまで戻ってみたりして、それで何て言われたのかを繰り返し再生する事にして、そしてようやく戻ってきた…現在地点。
もし、良かったら。
あたしはどう思う?
「…あ、あたしは…」
…ずっと好きだったコースケ。一度振られてるのに諦められなくてずっと思い続けてきた、コースケ。そんな彼と今、付き合う事が出来るかもしれない。
付き合う…あたしが、コースケと…
…でも。
「…可笑しいよ」
「ん?」
「お、可笑しいよコースケ。だってコースケはレナちゃんの事が…」
「あぁ、もう良いんだ。振られたし」
するとサラリと、なんて事のないようにコースケはそんな事を言う。その言葉に衝撃を受けているのは、それが重大な発言だと思ったのは、どうやらあたしだけらしい。
…ふ、振られたしって、そんなあっさり…
思わず、「な、なんで?」と、上ずった声で発していた。…でも、そんなあたしの心境を知ってか知らずか、コースケは軽く微笑みながら更なる衝撃をあたしに寄越す。



