優しくないっ、優しさを感じない!



「そんな…っ、えっと、その…、」

「…ありがとう」

「あたしっ、…え?」


……ありがとう?


聞こえてきた言葉に、一瞬何の話をしていたのかが分からなくなる。


…でも。


「ヒロにそう言って貰えるのは嬉しいよ。だから俺で良いならって…俺も思う」

「…え?」


それは…え、それって…


あたしは、耳を疑った。

疑って疑って、でもそれでも微笑んでるコースケを見て、もしかして、なんて、まさか、と思いつつ、でもこれって、なんて思って…


「それってつまり、あたしと付き合うって…事?」


恐る恐る、口にしてしまったのは確認の言葉。確認する事しか、今のあたしの頭には無かった。どういう事か、嘘か本当か、そんな事しか思い浮かばなかった。


そしてーー


「そうだな。まぁ、良かったらだけどさ」


なんて言って、「ヒロはどう思う?」そう問いかけるコースケに、あたしの頭はついに限界を迎えた。